【8月24日 AFP】ロシア軍との攻防戦が展開されたウクライナ南東部の要衝都市マリウポリ(Mariupol)アゾフスターリ(Azovstal)製鉄所に立てこもったアゾフ連隊(Azov Regiment)の隊員、ウラディスラウ・ジャイウォロノクさん(29)はAFPの取材に応じ、戦闘や負傷時の状況や、数週間の拘束という過酷な体験について振り返った。

 ジャイウォロノクさんは、戦闘中のけがで左足を失い、松葉づえを突いている。真夏を謳歌(おうか)する華やいだ雰囲気が漂う首都キーウの市庁舎には、「マリウポリ防衛戦士の解放を」と書かれた横断幕が掲げられている。この横断幕の前でジャイウォロノクさんは「状況はどんどん悪化し、きつくなっていった。可能な限り防衛し続けた」と、当時の様子を説明した。

 2月24日にウクライナに侵攻したロシア軍はその数日後、アゾフ海に面した戦略的に重要な港湾都市マリウポリを包囲した。ジャイウォロノクさんと仲間は3月、何としても戦いを続けるため、製鉄所に立てこもった。

 絶え間ない砲撃の中、ジャイウォロノクさんは半ば廃虚と化していた防空壕(ごう)に自らの拠点を設けた。昼間はドローンの操縦士としての任務を遂行した。「敷地内すべてに建物のがれきが散乱していた」と語る。水や食料、武器は絶望的なほどに不足していた。