【8月24日 AFP】メキシコで、水を求めて人里近くに出没したとみられるクロクマの子どもが虐待を受けて殺される事件があり、国民から怒りの声が上がっている。

 問題は、野生動物保護活動家のアルトゥーロ・イスラス(Arturo Islas)さんが虐待現場を捉えた写真を公開したことで発覚。写真には、北部コアウイラ(Coahuila)州カスターニョス(Castanos)の住民が子グマをロープで引きずる場面が写っている。

 現場には複数の警察官がいたが、子グマを助けるそぶりを見せていない。笑顔を見せながら携帯電話で写真を撮る女性警官さえいた。クロクマは、メキシコで保護対象種に指定されている。

 イスラスさんは「この子グマは最も残虐な犯罪者よりもひどい扱いを受けている」「子グマの罪は水を求めて町に近づいたことだけだ」とソーシャルメディアに投稿した。

 ミゲル・リケルメ(Miguel Riquelme)知事は虐待を非難し、子グマは「コアウイラ州の野生動物保護の象徴」だと述べた。

 環境保護連邦検察庁(PROFEPA)は、「生物多様性に対する罪」で犯人を訴追する方針を示した。(c)AFP