【8月24日 AFP】スペイン政府は23日、解体前の家畜の虐待を防止するため、食肉処理場に監視カメラの設置を義務付ける方針を明らかにした。こうした措置は欧州連合(EU)初だとしている。

 23日に法案を閣議決定し、議会通過に向けて迅速な措置が取られる。当局が後日映像を確認できるように、食肉処理場は動画の保存を義務付けられる見通し。

 アルベルト・ガルソン(Alberto Garzon)消費相は「動物に対しては食肉処理場を通過する際の福祉を保証し、消費者に対しては食料安全保障を強化するものとなる」と述べた。

 イサベル・ロドリゲス(Isabel Rodríguez)政府報道官は記者会見で、すでに食肉加工業界の合意を取り付けてあると述べた。

 消費省によると、新規則の適用について、大規模な食肉処理場は1年、中小の食肉処理場は2年の猶予期間が与えられる。

 食肉加工場へのカメラ設置を働き掛けてきたNGO「エクアリア(Equalia)」のギジェルモ・モレノ(Guillermo Moreno)事務局長は、「食肉処理場における動物福祉の水準を向上させるための必要かつ重要な第一歩」として、今回の措置に満足しているとAFPに語った。

 モレノ氏によると、英国のイングランドとスコットランド、イスラエルがすでに同様の措置を取っているとされる。(c)AFP