【8月23日 AFP】スイスの研究チームは22日、国内の氷河の量が1931年の水準から半減したとする研究論文を公表した。

 論文をまとめたのはスイス連邦工科大学チューリヒ校(ETH Zurich)と連邦森林・雪・景観研究所(WSL)の研究チーム。欧州地球科学連合(EGU)の専門誌「The Cryosphere(雪氷圏)」に掲載された。

 研究では、スイスの氷河の約86%について、1916~1947年に撮影された写真約2万1700枚を分析。撮影時期はまちまちだったため、1931年を基準年として、画像に基づきすべての氷河を再現していった。

 論文の筆頭執筆者エリック・シット・マナーフェルト(Erik Schytt Mannerfelt)氏は「二つの異なる時点での氷河の形状が分かれば、量の違いを算定できる」と説明した。

 研究チームは「再現した氷河の形状と、2000年代のデータとを比較した結果、1931年から2016年の間に氷河の量は半減したと結論付けた」としている。

 研究によると、過去100年間に氷河は継続的に減少したわけではなく、1920年代と1980年代には、量が増えた時期もあった。

 ただ1931~2016年を通じて見れば、氷河は大幅に縮小。現在は縮小ペースがさらに加速している。

 スイス氷河モニタリングネットワーク(GLAMOS)は、2016年以降の6年間だけでさらに12%の氷河が失われたと指摘している。(c)AFP/Nina LARSON