【8月23日 Xinhua News】中国国家発展改革委員会はこのほど、中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車「中欧班列」の運行状況などをまとめた「中欧班列発展報告(2021)」に関する記者会見を開いた。同委員会開放司の徐建平(Xu Jianping)司長は、運行規模の拡大と質的向上が沿線国・地域の実務的協力の促進に重要な役割を果たしたと表明した。

 中欧班列は7月末時点の運行本数が5万7千本を超えた。貨物輸送量は530万TEU(20フィートコンテナ換算)、実入りコンテナ比率は98・3%となり、貨物価格は3千億ドル(1ドル=約137円)近くに上った。当初は携帯電話やコンピューターなどIT(情報技術)製品が中心だった貨物も、今では衣類・靴・帽子、自動車・同部品、食糧、ワイン、コーヒー豆、木材など53分野5万品目余りに増え、沿線国・地域の人々の生活と生産の需要を隅々までカバーしている。運行路線は82路線となり、欧州24カ国196都市に通じている。輸送サービス網は欧州全域に拡大し、ユーラシア大陸を貫く国際輸送の大動脈を形成している。

 中欧班列は地域経済の発展を促す重要な支えにもなっている。河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)や重慶市(Chongqing)などでは中欧班列の運行開始後、輸出志向型産業が年平均30%前後の伸び率で成長しており、ポーランドのウッチやドイツのデュイスブルクなどは、中欧班列の運行数増加により国際物流ハブとしての地位が高まり、地元の製品を大量に中国へ送り出している。

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により海上輸送や航空輸送が停滞すると、中国の中欧班列各運営事業者は自国企業の輸出ニーズに積極的に対応した。家電大手のTCL科技集団、パソコン大手の聯想集団(レノボ・グループ)、自動車大手の浙江吉利控股集団、米パソコンメーカーのデル、スウェーデン自動車大手のボルボ・カーズなど多くの企業の専用列車を運行し、全輸送過程に対応した物流リューションを提供。ダイヤ調整や増便などを通じ、国内外企業の産業チェーンとサプライチェーンの安定維持を力強く支えた。企業専用列車は今年すでに1150本運行されており、新型コロナが世界の産業チェーンとサプライチェーンの安定に及ぼす衝撃と影響を効果的に低減した。(c)Xinhua News/AFPBB News