【8月23日 Xinhua News】日本の滋賀県で20日、第30回びわこペーロンが開催され、全国から40チーム近くが参加して争った。中国と日本の国交正常化50周年を記念するため、両国の青年による初めての合同チームが参加した。

 同日のイベントに出席した同県の三日月大造知事は、中日青年チームに声援を送り、次のように述べた。日本と中国は一衣帯水の隣国で、両国には水に関する絆がある。中国と日本の青年が同じドラゴンボートに乗り、同じ目標に向かって努力することは、互いの理解を深め、両国の距離を縮めるのに役立つ。

 びわこペーロンは毎年集まる数千人の観客にとって、中日友好の歴史を目の当たりにする貴重な機会となっている。同県は1991年、中国湖南省の汨羅江(べきらこう)国際ドラゴンボートレース大会にチームを派遣した。大会終了後、同省は「洞庭号」と「琵琶号」のドラゴンボート2艇を友好の証として滋賀県に贈った。以来、毎年8月ごろに関連の大会が琵琶湖で開催されるようになった。

 中国のドラゴンボートは、1655年に福建省から長崎に持ち込まれ、日本に伝わったとされる。

 長崎ではドラゴンボートレースを「ペーロン」と呼んでいるが、これは中国の方言「扒竜船」に由来する。兵庫県相生市の「相生ペーロン」は、長崎出身の造船所従業員が持ち込み、現在では地元で毎年開催されるシンボル的イベントとなっている。

 中国は1976年、香港で国際ドラゴンボートフェスティバルを開催し、伝統的なドラゴンボートレースはここから正式に競技スポーツイベントへと生まれ変わった。日本でも88年に大阪で日本国際ドラゴンボート選手権大会が開催され、ドラゴンボートの人気は一気に高まった。

 92年に設立された日本ドラゴンボート協会には現在、日本各地のチーム60余りが加盟している。琵琶湖を筆頭に、山梨県の河口湖、京都府の久美浜湾、東京、大阪府吹田市、和歌山県などで定期的にドラゴンボートレースが開催されている。

 三日月知事は、日本でドラゴンボートが人気なのは、大勢の人が息を合わせてパドルをこぐことで推進力を生む必要があるからだと考えている。これが企業や社会、国家の運営と相通ずるところがあるのだという。

 滋賀県ドラゴンボート協会の礒田英清理事長によると、日本全国のドラゴンボート競技人口は約5万人で、今も増加し続けているという。

 昨年の東京五輪・パラリンピック開催時には、中国のドラゴンボートがパフォーマンス・プログラムに指定され、オリンピック正式競技採用への一里塚としての意義を持つ。礒田理事長は、今後もし五輪の正式競技に採用されれば、日本のドラゴンボート競技人口は再び大きく増えるだろうと述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News