【8月22日 AFP】世界食糧計画(WFP)は19日、深刻な干ばつに見舞われている「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれるアフリカ大陸北東部地域で、飢餓に直面している人が一段と増加しており、2200万人に上る勢いであることを明らかにした。

 複数の援助団体によれば、ケニア、ソマリア、エチオピアは長年の水不足により40年ぶりの深刻な干ばつに直面。4期連続で雨期の降水量が不足する異常気象の影響で家畜が大量死し、農作物も枯死。住民110万人が食料と水を求めて故郷を離れざるを得なくなっている。

 WFPのデービッド・ビーズリー(David Beasley)事務局長は、「アフリカの角における広範な飢饉(ききん)の脅威から最も脆弱(ぜいじゃく)な地域社会を守るため、世界は今、行動する必要がある」と述べた。

「干ばつの危機にはまだ終わりが見えない。だからこそ必要な資源を確保して人命を救い、人々が壊滅的なレベルの飢餓に陥るのを防がなければならない」

 WFPは、9月までに少なくとも2200万人が飢餓に直面する恐れがあると警告。最も影響を受ける人々を支援するため、今後半年間に4億1800万ドル(約570億円)の資金が必要だと訴えた。

 WFPは今年初め、ケニア、ソマリア、エチオピアで1300万人が飢餓に直面しているとして寄付を呼び掛けたが、ロシアのウクライナ侵攻などの影響で注目が集まらず、資金調達は難航。ウクライナ危機で世界の食料・燃料価格が高騰し、援助物資の輸送コストも上昇している。(c)AFP