【8月20日 AFP】ドイツ警察は19日、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長が独訪問中にイスラエルがパレスチナ人にホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)を行ってきたと発言したことを受け、「憎悪を扇動した疑い」で捜査を開始したと発表した。

 警察は、「(アッバス氏が)ホロコーストを相対化した」との刑事告発を受けたとしている。

 アッバス氏は16日、オラフ・ショルツ(Olaf Scholz)独首相との共同記者会見で、イスラエルは1947年以降、パレスチナ人に対して「50のホロコースト」を行ってきたと非難した。

 ショルツ氏は直ちに異議を唱えなかったが、批判の拡大を受け、17日に「(アッバス氏の)言語道断な発言に嫌悪感を覚える」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 独外務省の報道官は、アッバス氏は「パレスチナ自治政府を代表してドイツを公式訪問」していたため、外交特権を有するとの政府見解を示した。ドイツはパレスチナを国家承認していないが、外交関係を維持している。(c)AFP