【8月19日 AFP】(更新)ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領との電話会談で、ロシアが占拠しているウクライナ南東部のザポリージャ(Zaporizhzhia)原子力発電所に国際原子力機関(IAEA)の視察団をウクライナ経由で派遣することに同意した。仏大統領府が19日、発表した。

 仏大統領府によると、プーチン氏は視察団がロシア経由で現場に向かうことを要求していたが、「再考した」という。

 3月以来ロシア軍に占拠されているザポリージャ原発の周辺では最近、戦闘が頻発。1986年のチョルノービリ(チェルノブイリ、Chernobyl)原発事故に匹敵する核災害が起きる懸念が高まっている。

 プーチン氏とマクロン氏の電話会談は約3か月ぶり。ロシア大統領府も先の声明で、両氏はIAEAの専門家が「一刻も早く」原発を視察すべきだとの考えで一致したとしていた。プーチン氏はさらに、ウクライナ軍がザポリージャ原発に「組織的な砲撃」を行い、「広大な領土の放射能汚染につながる大災害の危険性を生んでいる」と警告したとされる。

 プーチン氏はまた、ロシアが食品や肥料の輸出で障害に直面しているとマクロン氏に説明。ロシア大統領府は、輸出面での障害は「世界の食料安全保障問題の解決に貢献しない」ものだと指摘した。一方で仏大統領府は、こうした障害は存在しないとして、ロシア側の主張を否定した。(c)AFP