【8月19日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo Jong)同党副部長は19日、非核化の見返りに経済支援を行うという韓国の提案について、「愚の骨頂」であり決して受け入れられないと一蹴した。

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol)大統領は今週、北朝鮮の核開発中止を条件に、食糧、エネルギー、インフラなどの分野で支援を行うとの「大胆な」構想を発表していた。

 これについて与正氏は19日、まるで「海に桑畑をつくる」ような非現実的な案であり、「愚の骨頂」だと切り捨てた。
 
 国営朝鮮中央通信(KCNA)によると、与正氏は声明で「わが国の誇りである核と『経済協力』を交換するという計画が尹氏の大きな夢、希望、構想であることを踏まえると、尹氏は極めて単純で、依然幼稚であることを認識した」と述べ、北朝鮮は非核化を前提とする国との協議には決して応じないと強調した。

 韓国大統領府は、与正氏の「無礼な」発言に対し「強い遺憾の意」を表した一方で、支援提案自体は取り下げない方針を示した。

 北朝鮮は今年に入り、記録的なペースでミサイル発射実験を行っており、2017年以来となる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射も行った。米韓政府関係者は、北朝鮮が7回目となる核実験の準備を進めていると繰り返し警告している。(c)AFP/Claire LEE