【8月18日 AFP】ロシア国防省は18日、ウクライナ南東部のザポリージャ(Zaporizhzhia)原子力発電所には重火器を配備していないと主張し、原発の安全性をめぐってウクライナが「挑発」を試みていると非難した。

 同省は声明で「ロシア軍は、発電所の敷地内にも周囲にも重火器を配備していない。いるのは警備部隊だけだ」とし、ロシア軍が発電所内からウクライナ軍を砲撃しているとの批判は、国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長の訪問に合わせてウクライナが「挑発」を行い、ロシアが「発電所で人災を引き起こした」と非難しようとしているためだと主張した。

 グテレス氏は、19日にウクライナ南部オデーサ(Odessa)を訪れる。ロシアは、ウクライナ軍が同日ニコポル(Nikopol)からザポリージャ原発を砲撃し、「その結果に対する責任をロシアに負わせる計画だ」と述べた。

 欧州最大規模のザポリージャ原発をめぐっては、1986年のチョルノービリ(チェルノブイリ、Chernobyl)原発事故に匹敵する大事故に発展する恐れが指摘されている。

 北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は17日、ロシアによるザポリージャ原発占拠は「原発事故のリスクを高める」と述べ、国際原子力機関(IAEA)の視察受け入れとロシア軍の撤退が「緊急に」必要だと訴えた。(c)AFP