中国自動車市場で日本車メーカーに明暗 「復調」組と「脱落の危機」も
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【8月19日 東方新報】中国で自動車の販売台数が大幅に伸びている中、日本車メーカーは明暗が分かれる形となっている。
中国汽車工業協会(CAAM)によると、中国で6月の新車販売台数は前年同月比23.8%増の250万2000台となり、7月も24.2%増の242万台に達した。自動車産業の一大拠点である上海市でコロナ禍による外出制限措置が6月に解除され、自動車産業のサプライチェーンが復活した。また、中国政府による自動車購入税の減税策と地方政府の自動車販売促進政策も消費を後押しした。
日本勢では、ホンダ(Honda)が6月の販売台数が前年同期比19.4%増の14万1142台、7月は23.5%増の13万3556台と2か月連続でプラス。スポーツタイプ多目的車(SUV)「CR-V」やセダン「アコード」、ハイブリッド車(HV)「スポーツハイブリッド」の売れ行きが良好だった。「カローラ(Corolla)」などが堅調だったトヨタ自動車(Toyota Motor)も6月が19.2%増の20万100台、7月が6.0%増の18万400台で2か月連続プラスを記録。日産は6月が4.8%減の10万9051台だったものの、7月は4.6%増の10万203台と5か月ぶりにプラスに転じた。「アルティマ」や「キャシュカイ」などの販売が増加した。
一方、マツダは6月が前年同月比40.3%減の1万145台、7月が33.0%減の9044台となり、中国内の自動車販売が低迷していた5月に続き1万台を割った。マツダ(Mazda)は16か月連続のマイナスで、自動車産業チェーンの回復と消費刺激策の追い風に乗ることができなかった。
マツダは中国での新車販売台数が2017年に30万9407台に達し過去最高を記録したが、その後は毎年、下降線をたどっており、2021年は18万3953台に落ち込んだ。今年は1~7月で前年同期比37.8%減の計6万8593台とさらに減少傾向にある。マツダは昨年8月、中国合弁会社の長安マツダと一汽マツダを事実上統合すると発表。販売テコ入れを図ったが、効果は出ていない。中国メディアは「マツダは中国市場から脱落の危機を迎えている」と報じている。
中国では2017年以降、自動車の販売台数が減少。2021年は前年比3.8%増の2627万5000台と4年ぶりに増加に転じたが、政府が補助金を出している新エネルギー車(NEV)の販売増によるところが大きい。自動車市場が飽和状態を迎える中、新シリーズの投入やディーラー網の強化、NEVシフトの促進など企業の競争力や戦略が問われている。(c)東方新報/AFPBB News