【8月18日 AFP】国連(UN)の小保方智也(Tomoya Obokata)特別報告者(現代的形態の奴隷制担当)は16日に発表した報告書で、中国の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で少数民族が農業や製造業などの分野で強制労働に従事させられており、「人道に対する罪としての奴隷制」に相当する可能性があると指摘した。

 中国政府は、新疆ウイグル自治区で100万人以上のウイグル人やその他のイスラム系少数民族を拘束し、強制労働をさせたり、女性に対する避妊手術を強制したりしていると非難されている。

 小保方氏は報告書で、シンクタンクやNGOの報告や被害者の証言に基づき、二つの「国家から課された制度」で強制労働が起きたと指摘。一つは、少数民族を拘束して職業研修を課す職業技能教育訓練所制度、もう一つは、農村部の労働者を「第2次・第3次労働」に移行させる貧困削減政策だとした。

 過剰な監視や劣悪な生活・労働環境など、労働者に対して行使された権力の性質と範囲は「人道に対する罪としての奴隷制に相当する可能性があり、さらなる分析に値する」と結論した。

 これを受け、中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は17日、小保方氏が「米国や(中略)反中勢力によって作られたうそや偽情報を信じることを選んだ」と非難。少数民族の権利は守られていると主張した。(c)AFP