【8月17日 AFP】フィンランド政府は16日、隣国ロシアからの観光ビザ(査証)申請の受け付けを9月1日から現在の1割にまで減らすと発表した。ウクライナ侵攻が続く中、ロシア人観光客に対するフィンランド国民の不満が高まっている。

 フィンランドのペッカ・ハービスト(Pekka Haavisto)外相は、首都ヘルシンキで記者団に対し、「観光ビザ(の発給)が完全に停止するわけではないが、数は激減する」と説明した。

 ハービスト氏は、特定の国籍の人への発給を全面的に禁止するのは不可能なため、ロシアからの観光ビザ申請の受付時間を制限すると述べた。

 これとは別に同氏が公共のフィンランド放送協会(Yle)に語ったところによると、現在はロシアから1日当たり約1000件の申請がある。

 フィンランドは、ロシアと国境を接する欧州連合(EU)加盟国で唯一、ロシア人の観光ビザに制限を設けていない。フィンランドは欧州諸国間で出入国審査なしに国境を越えることを認めるシェンゲン(Schengen)協定に加盟している。

 ロシアが7月15日に新型コロナウイルスによる渡航制限を解除して以来、同国からフィンランドを訪れる観光客は徐々に増えており、国民から不満の声が上がっていた。

 サンナ・マリン(Sanna Marin)首相は8月15日、「ロシアがウクライナで人々を殺しているのに、ロシア国民が欧州やシェンゲン圏に観光客として入れるのは正しいことではない」と述べた。(c)AFP