【8月16日 AFP】(更新)ロシア国防省は16日、同国が併合したウクライナ南部クリミア(Crimea)半島の弾薬庫で、「破壊工作」による火災が発生し、爆発が起きたと発表した。

 ロシア通信社が伝えた国防省の発表によると、爆発は同日朝に発生。ジャンコイ(Dzhankoi)村に近い軍用貯蔵庫が損傷した他、送電線や発電所、鉄道線路、住宅などの民間施設が被害を受けた。重傷者はいないという。

 同省は先の発表で、ジャンコイ地区の村マイスコエ(Mayskoye)近くにある仮設の軍用貯蔵庫で早朝に火災が起き、弾薬が爆発したと説明していた。

 ソーシャルメディアに投稿された画像には、現場で巨大な火球がさく裂し、黒煙が上がる様子が写っていた。

 現場を視察したクリミアの親ロ派当局トップのセルゲイ・アクショノフ(Sergei Aksyonov)氏は民間人2人が負傷したが、命に別条はないと述べた。

 ロシアが2014年にクリミア半島を併合すると、ウクライナ東部では親ロ派武装勢力が独立を宣言し、ウクライナ軍と戦闘状態となった。

 クリミアでは今月9日にも軍用飛行場で爆発が発生。ロシア政府は、弾薬の爆発により1人が死亡し、複数が負傷したと発表した。

 この爆発について、ロシア政府はウクライナ軍の攻撃が原因ではないと主張している。だが専門家らは、複数の戦闘機が破壊されたことが衛星写真から確認でき、攻撃があったことをうかがわせていると指摘している。

 ウクライナ政府もクリミア半島への攻撃を認めていないが、政府関係者らは関与をほのめかす発言をしている。

 ウクライナのミハイロ・ポドリャク(Mykhailo Podolyak)大統領府顧問は16日、今回のジャンコイの爆発は、ロシアに占領されているクリミアで倉庫などが爆発し、「侵略者と略奪者が死ぬ高いリスク」が存在することを改めて示すものだと述べた。(c)AFP