【8月16日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は16日、米政権はウクライナ紛争の長期化をもくろんでいる上、ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長が台湾を訪問するなど世界の他の場所での問題についても悪化を招いていると強く批判した。

 プーチン氏はモスクワで開かれた安全保障関連会議の開会式にビデオ通話で出席。テレビ放映されたその際の発言で同氏は、「ウクライナでの状況から、米国がこの紛争を長引かせようとしていることが分かる。そしてアジア、アフリカ、中南米でも全く同じように行動し、潜在的な紛争の火に油を注いでいる」と指摘した。

 その上で、「台湾をめぐる米国の危険な試みは、無責任な政治家個人の訪問ではなく、周辺地域と世界の不安定化と混乱を狙った、意図的かつ意識的な米国の戦略の一部だ」との考えを示した。

 さらにペロシ氏の訪台については、「他国の主権と自国の国際的義務を顧慮しない姿勢を明示する行為」であり、「われわれはこれを慎重に計画された挑発行為だと見なす」と述べた。

 ロシアがウクライナに侵攻して以来、米ロ関係は冷え切っている。また西側諸国による前例のない規模の対ロ制裁を受け、プーチン氏は中国をはじめ、アジアやアフリカ諸国との関係強化を模索している。(c)AFP