【8月16日 Xinhua News】中国車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)はこのほど、73億4千万ユーロ(1ユーロ=約137円)を投資してハンガリーのデブレツェンに欧州で2番目の工場を立ち上げると発表した。年間100ギガワット時(GWh)の車載電池の生産を予定する。投資額は2019年に設立したドイツ工場(投資額18億ユーロ、年産14ギガワット時)を大きく上回る。株主総会での承認などの手続きを経て、年内に最初の作業棟を着工する。全体の工期は64カ月を超えない見通し。

 ハンガリー工場は欧州の自動車メーカー向けに電池セルとモジュールを生産する。電池の種類について、CATLの関係者は「この規模ならどの種類でも生産できる。取引先のニーズに応じて決めることになるだろう」と話す。

 CATLの曽毓群(Zeng Yuqun)董事長は「今度の対ハンガリー投資はグローバル戦略の構図を整える大きな一歩だ」と指摘。デブレツェンへの工場設立でCATLは競争力を高め、欧州の取引先のニーズによりよく応え、欧州の電動化を加速することができると語る。

 デブレツェン工場の近くにはベンツやBMW、ステランティス、フォルクスワーゲン(VW)などの自動車メーカーの工場があり、CATLが欧州市場の需要にうまく対応し、グローバル戦略の構図をさらに整え、欧州の電動化とエネルギートランジションを加速するのに有利となる。車載電池の生産だけでなく、太陽エネルギーの共同開発や電池材料工場の設立についても現地の協力パートナーと検討・協議している。

 独メルセデス・ベンツは同工場の初期生産能力・規模の下で最初の得意先であり、最大の得意先でもある。同社取締役会のメンバーで研究開発・調達を担当するマルクス・シェーファー最高技術責任者(CTO)は、CATLがハンガリーに先進工場を設立し、メルセデス・ベンツの現地調達化戦略に応じたことは、重要な協力パートナーとの電気自動車(EV)の生産拡大で得た新たな進展となったと指摘した。

 CATLの十大生産拠点のうち、海外にあるのは19年に設立されたドイツ工場だけ。同工場はすでに8ギガワット時の生産許可を取得しており、最初の電池セルは年内にラインオフする見通し。CATLの売上高に占める海外の割合は19年の4・4%から21年には21・4%に拡大しており、海外市場の重要性は増している。(c)Xinhua News/AFPBB News