【8月15日 AFP】アフガニスタンでイスラム主義組織タリバン(Taliban)が実権を握ってから、15日で1年が経過した。首都カブールの米国大使館前には戦闘員が集まり、勝利の言葉を唱和した。だがこの1年で、女性の権利は著しく制限され、人道危機はより深刻化した。

 タリバンは1年前、20年にわたり駐留していた米軍が撤退を進める中、政府軍に対し一斉に電撃的な攻勢を仕掛け、昨年8月15日にカブールを制圧した。

 タリバンのビラル・カリミ(Bilal Karimi)報道官はツイッター(Twitter)に「アフガニスタンのイスラム教徒と国民にとって、きょうは勝利と幸福の日だ」と投稿した。

 しかしタリバンの復権により、一般市民、特に女性の苦難は増大した。女子の中等教育は停止され、公職に就いていた女性の多くが復職を阻止された。

 また市民によると暴力事件は減っているものの、物価の高騰などで人道危機が続き、生活は逼迫(ひっぱく)している。

 経済危機が続く中、タリバンに資金が渡ることを防ぐため、米政府はアフガン前政権が国外に持っていた資産を凍結。各国からの人道支援も縮小している。援助機関によると、アフガン人口3800万人のうち約半数が深刻な貧困状態にあるとされる。

 タリバンを新政府と承認している国は、現時点で一つもない。(c)AFP/Jay Deshmukh and Abdullah Hasrat