【8月16日 People’s Daily】今年6月末には、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が正式に発効してから半年が経った。この半年間、RCEPの「友達の輪」が広がり続け、各加盟国の企業や消費者に絶え間ない恩恵を生み出した。

 中国商務省の担当者は、RCEP発効のインセンティブのもと、より多くの海外の高品質な商品が中国の消費市場に進出していると述べた。同時に、ゼロ関税によって輸入品のコストが下がり、高水準の貿易円滑化措置と相まって、消費者はより望ましい価格で、より早く輸入品を購入できるようになった。

 現在、世界最大の制度型オープンプラットフォームとして、RCEPの人口、総体経済、貿易額は世界の約3割を占め、巨大な市場ポテンシャルを秘めている。RCEPの発効・実施は、各国に互恵・ウィンウィンの扉を開いた。

 今年第1四半期、タイの対RCEPパートナーの貿易総額は2兆7000億バーツを超え、前年同期比23%増、うち農産加工品は43%増となった。同期間、ベトナムの対中、日本、韓国、その他のASEAN諸国の貿易額は10%以上増加した。日本の対RCEPパートナーの貿易総額は約2000億米ドル(約26兆6500億円)で、日本の対外貿易全体の47.6%を占め、11.5%増加した。今年2月1日に、韓国がRCEPを発効してから、3月の輸出額は634億8000万米ドル(約8兆4600億円)、前年比18.2%増となり、韓国の1956年貿易統計開始以来最大の増加額となった。推計によると、2025年までに、RCEPは加盟国の輸出、海外直接投資残高、国内総生産(GDP)をそれぞれベースラインより10.4%、2.6%、1.8%増加させる見込みだ。HSBCのエコノミストは2030年までに、RCEP経済圏の経済規模の世界シェアは50%に増加すると予測しており、UNCTADの報告書は、RCEP経済圏がその規模と活気によって「世界貿易の新たな中心になっている」とし、これは新型コロナが地域経済に与える悪影響を大いにヘッジし、世界経済回復への自信を高めるものだと指摘した。

 RCEP実施後の半年間、中国各地域・官庁はRCEP政策がもたらす恩恵を生み出すためにさまざまな措置を打ち出した。

 年初に、中国商務部など多くの官庁が、RCEP発効後の地域市場におけるより開放的な環境とより十分な競争に適応するよう地方、産業、企業を指導するための「RCEPの高品質な実施に関する指導意見」を共同で発表した。4月、商務部が主催し、企業に焦点を当てた「全国RCEPに関する一連の特別研修」が開始され、RCEPの全体状況や主要内容の紹介、RCEP貨物の貿易市場参入・原産地規則の解読、RCEPサービス貿易、投資市場参入のための約束・規則の解読、及び中国の関連産業にとってのチャンス、課題、提言などが取り上げられた。

 中国がRCEPとのより深い連携を積極的に推進し、開放のコミットメントを積極的に履行していることも、拡大・開放を継続する決意と誠意を示している。「中国はRCEPを制度型開放を深める重要なプラットフォームとし、RCEPの701項目の拘束型義務と170項目の奨励型義務を整理し、各官庁・地域にRCEPのコミットメントを高い水準で履行することを求め、全国が上から下まで、RCEP等の高水準の協定に基づき、改革を深化させる良好な雰囲気の醸成を推進するよう求める」と、中国商務部国際貿易経済協力研究院の顧学明(Gu Xueming)院長は述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News