【8月15日 People’s Daily】北京市通州区(Tongzhou)の王凝(Wang Ning)さんは毎日、通勤中の地下鉄車内で、スマホを使って「MOOC」を視聴するのが習慣となっている。MOOCとはインターネットを通じ、有名大学や研究機関が無料または低額で専門知識が少ない人にも分かりやすく教える国際的なオンライン講座だ。王さんは以前から興味があった「三国志」の歴史を学んでいる。「仕事とは直接関係ありませんが、知識が広がってすごく楽しい。同僚もMOOCのファンですよ」

 中国国務院新聞弁公室が発表した「新時代の中国の若者白書」によると、中国で働く若者の50%以上が何らかのジョブトレーニングをしており、仕事の後に脳の「充電」を行っている。MOOCや知的ソーシャルグループなど、豊富な国際的学習リソースがその選択肢となっている。

 中国では2013年にMOOCが導入され、この9年間で津々浦々に浸透。教育の公平性実現に役立っている。教育省高等教育局の呉岩(Wu Yuan)局長は「2013年当時、MOOCはわずか5講座しかなく受講生は数百人でしたが、今では5万2500講座で計3億7000万人が受講しています」と説明。中国はMOOCの講座数と受講生で世界一となった。

 中国はここ数年、基礎教育や職業教育、高等教育のオンライン学習を促進するMOOCプラットフォームを立ち上げ、ている。教育省広報担当の続梅(Xu Mei)氏によると、プラットフォームは中国以外に米国、英国、カナダ、日本など129か国・地域をカバーし、約2万5000講座を提供している。呉岩氏は「11か国の著名な13大学と単位の相互承認を実現し、168の統合コースを開設している。今後も世界の高等教育に貢献していきたい」と話している。(c)People’s Daily/AFPBB News