【8月17日 Xinhua News】中国山西省(Shanxi)にある新石器時代晩期竜山文化の遺跡「陶寺遺跡」で、宮殿建築の基礎工事開始時に作られた祭祀(さいし)坑と思われる遺構が見つかった。

 同遺跡発掘チームを率いる中国社会科学院考古研究所の高江濤(Gao Jiangtao)研究員によると、遺構は1号宮殿の基礎西側に位置し、発見時は灰坑の形状も整い、上下2層に分かれていた。上層の灰坑は地表から約30~40センチの深さにあり、坑内からは完全な形状をとどめたブタの骨、犬などの動物の部分的な骨が見つかり、陶寺文化初期の土器片も大量に出土した。下層からは3人分の人骨が出土した。成人2人、子ども1人で、うち子どもは頭部と胴体がばらばらで、頭は灰坑のもう片方の隅にあった。

 考古学者は灰坑の年代について、出土した土器の特徴から陶寺文化初期後半であり、1号宮殿基礎の築造年代と同時期だと判断した。同遺構が1号宮殿基礎とわずか1・2~1・5メートルしか離れていないことから、灰坑が宮殿建設に関係しており、基礎の定礎時の祭祀坑だった可能性が高いとの見方も示した。今回の発見は、陶寺文化初期に祭祀儀式がすでに重んじられていたことを示しており、初期国家形態の研究における1号宮殿の基礎の重要性も反映している。

 陶寺遺跡は、山西省臨汾市(Linfen)襄汾県(Xiangfen)陶寺郷にある。中国文明のルーツを探る国家事業「中華文明探源プロジェクト」が進展するにつれ、同遺跡でも重要な発見が相次いでいる。(c)Xinhua News/AFPBB News