【8月14日 AFP】アフガニスタンの首都カブールで13日、数か月ぶりに行われた女性たちによるデモを、イスラム主義組織タリバン(Taliban)が参加者への殴打や威嚇射撃で暴力的に散会させた。

 昨年8月15日にタリバンが復権して以降、アフガンでは20年にわたる米軍駐留中に根付きつつあった女性の権利が後退している。

 AFP記者によると、デモには約40人が参加。教育省前を行進しながら「パン、仕事、自由」とシュプレヒコールを上げた。

 タリバン戦闘員は空に向かって威嚇射撃をしてデモを散会させた。近くの店に逃げ込んだ参加者の中には戦闘員に追い掛けられ、銃床で殴られた人もいた。

 女性たちは「8月15日は暗黒の日」と書かれた横断幕を手に労働と政治参加の権利を求めて「正義だ正義。無学はもうたくさん」と声を上げた。多くは顔をベールで覆わずに参加していた。

 デモ主催者の一人、ゾリア・パルシさんによると、タリバン情報機関の戦闘員がやって来て空に向かって発砲した。戦闘員は、横断幕を引き裂いたり、多くの参加者の携帯電話を没収したりしたという。

 参加者の一人、ムニサ・ムバリズさんは「私たちを黙らせたくともそれはできない。家からでも抗議する」と述べ、女性の権利のために闘い続けると語った。

 AFP記者によると、デモを取材していた報道陣の中にもタリバン戦闘員から暴行を受けた記者がいる。(c)AFP/Emmanuel PEUCHOT