【8月15日 Xinhua News】中国農業大学と新疆畜牧科学院の研究者は、5年間の努力を経て、短尾種細毛羊のゲノム編集に世界で初めて成功した。

 同科学院の劉明軍(Liu Mingjun)研究員によると、尾の長いことが家畜綿羊品種の明らかな特徴の一つで、現在、世界の現代綿羊品種はほとんどが尾の長い種となっている。しかし、長い尾は感染症を引き起こしやすく、自然交配にも影響を与え、繁殖率が低下し、汚染によって毛質が低下することもある。そのため、尾の長い羊は、子羊の時期に尾を切る必要がある。

 劉氏は「尾を切るのは労働力と物資を消耗し、子羊も感染症にかかる可能性があり、発育が阻害されて生産性に影響が出たり、死に至る場合もある。尾を切ることを必要としない良質な短尾種の綿羊品種を育成することが世界の綿羊育種の目標の一つ」と語った。

 中国農業大学動物科学技術学院の李孟華(Li Menghua)教授のチームと新疆畜牧科学院の劉研究員のチームは、野生のパミールアルガリとチベット系綿羊の交雑グループ、カザフ羊とテクセル種の交雑グループを対象に研究を進めた。異種交配子孫の染色体組み換えやゲノムアセンブリ、生産性と身体的外観に関連する候補遺伝子のマイニングと検証、ゲノム編集による新たな遺伝資源の創出などで重要な進展を遂げた。研究成果はこのほど、国際的学術誌「Genome Research」のオンライン版に掲載された。

 新疆綿羊分子育種試験基地では、短尾種細毛羊の尾椎は最も少ないもので11個しかないが、比較対象となる尾の長い細毛羊は一般的に18~22個あることが分かった。

 李氏は、研究成果が家畜品種改良に新たなアイデアを提供し、中国における綿羊の遺伝子改良と新品種育成をさらに加速させ、育種産業の振興を促進する新たな遺伝資源と科学技術支援を提供すると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News