【8月13日 AFP】米ニューヨーク市の下水からまひが残ることもある病気ポリオを引き起こすウイルスが検出されたことを受け、保健当局は12日、市内で同ウイルスが拡散している可能性が高いとしてワクチン接種を呼び掛けた。

 先月、マンハッタン(Manhattan)の北西約50キロに位置するロックランド(Rockland)郡で、米国では約10年ぶりにポリオの感染者1人が確認された。その後、同郡および隣接する郡の下水からポリオウイルスが検出された。

 同市のメアリー・バセット(Mary Bassett)保健局長はポリオウイルス検出について、「憂慮すべき事態ではあるが、驚くことではない」との見方を示した。

 ポリオは、特に子どもが感染すると、手足にまひを引き起こし、永続的な後遺症が出ることもあり、死亡することもある。ワクチンで防ぐことができるが、同市の6か月から5歳までの子どもの14%は3回のワクチン接種を完了していない。

 子どもを対象としたワクチン接種会場が設置され、無料または低料金で接種を行っている。ニューヨーク州が検査やワクチン接種を支援し、米疾病対策センター(CDC)の専門家も協力している。

 世界はポリオ根絶に近づいているが、6月にも英ロンドンの下水からポリオウイルスが検出され、ワクチン接種体制が強化されている。(c)AFP