【8月13日 AFP】米ニューヨーク州で襲撃された英作家サルマン・ラシュディ(Salman Rushdie)氏の容体について、同氏の代理人のアンドルー・ワイリー(Andrew Wylie)氏は12日、人工呼吸器を装着しており片目を失う恐れがあると明らかにした。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が報じた。

 ラシュディ氏は12日午前11時前に襲われ、首と腹を刺された後、病院にヘリコプターで搬送されて緊急手術を受けた。

 ワイリー氏は「良い知らせではない」とした上で、「サルマンは片目を失う恐れがある。腕の神経が切断された。肝臓も刺されて傷を負っている」と説明。今のところラシュディ氏は話すこともできないと補足した。

 ニューヨーク州警察は、ラシュディ氏を刺した男をニュージャージー州フェアフィールド(Fairfield)在住のハディ・マタール(Hadi Matar)容疑者(24)と特定したが、動機は明らかになっていない。

 ラシュディ氏は、1988年の著作「悪魔の詩(Satanic Verses)」が一部のイスラム教徒から預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)に対する冒涜(ぼうとく)と見なされ、イランの当時の最高指導者ルホラ・ホメイニ(Ayatollah Khomeini)師から死刑を宣告するファトワ(宗教令)を受けていた。(c)AFP