【8月12日 AFP】ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア(Crimea)半島にある空軍基地で9日に起きた爆発について、ロシアは事故だったと説明しているが、専門家によると、衛星写真からはウクライナ軍による攻撃だった可能性が示されている。

 アナリストのオリバー・アレクサンダー(Oliver Alexander)氏はAFPに対し、10日に公開された衛星写真からは、基地が「何かで攻撃され」、少なくとも9機の航空機が破壊されたことが分かると説明。「事故だとしたら、4~5人が同じ場所にたばこを投げ捨てるか、複数の爆弾をハンマーでたたく必要があっただろう。ほぼあり得ないことだ」と指摘した。ただ、爆発の原因が特殊部隊による妨害工作だったのか、ミサイル攻撃だったのかは不明だという。

 クリミア半島は、ロシアのウクライナ侵攻において主要な軍事拠点となっているが、攻撃を受けることはまれ。標的となったのであれば、紛争の激化を意味する。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)とワシントン・ポスト(Washington Post)は匿名のウクライナ当局者の話として、爆発は同国が起こしたものだったと報じているが、同国軍は今のところ攻撃実行を公に認めていない。

 ウクライナ軍は、ロシアの「技術的問題」をやゆし、立ち入り制限区域での喫煙が原因ではないかとコメント。ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、夜間に毎日行っている定例演説で、爆発に直接言及しなかったものの、「クリミアはウクライナだ」とし、「ウクライナと自由な欧州全土に対するロシアの戦争はクリミアで始まったものであり、クリミアの解放で終わるべき」だと言明した。(c)AFP