【8月11日 People’s Daily】国連食糧農業機関(FAO)はこのほど、初めてオンライン方式による考察を経て、3つの伝統的農業システムを新たに世界農業遺産(GIAHS)に正式に認定した。この3つはそれぞれ福建省(Fujian)泉州市(Quanzhou)安渓県(Anxi)の鉄観音茶文化システム、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)赤峰市(Chifeng)のアルホルチン草原遊牧システム、河北省(Hebei)邯鄲市(Handan)渉県(She)の乾地農業石堰棚田システムだ。これにより、中国の世界農業遺産の数は18件となり、世界一となった。

 農業遺産は、現在も機能している生きた生産システムだ。中国には悠久かつ燦爛(さんらん)たる農耕文明があり、農民は長期にわたる生産活動を通じて豊かな農業遺産をつくり上げてきた。早くも2005年に、1300年以上の歴史を持つ「浙江省青田県の稲田養魚システム」が、FAOによって世界初の世界農業遺産の一つとして認定された。

「浙江省青田県の稲田養魚システム」の保全を皮切りに、中国の世界農業遺産の保全活動は着実に発展している。2012年、中国は世界で初めて国家的な農業遺産の発掘を開始し、2015年、世界初の「重要農業文化遺産管理弁法」を公布、2016年以来、農業遺産事業は幾度となく中央1号文書に記載され、「農村振興促進法」にも記載されている。中国は世界農業遺産の提唱の積極的な参加者、重要な推進者、主要な貢献者になっている。

 豊かな農業遺産は、中国が地域の状況や自然に対応し、生態系の持続的な農業開発理念を堅持していることを示している。今回新たに認定された福建省泉州市安渓県の鉄観音茶文化システムは、水源のかん養、水土保全、微気候の調節など優れた生態機能を持つことで知られている。持続可能な牧畜業と脆弱(ぜいじゃく)な牧場管理の世界的なモデルとして、内モンゴル自治区赤峰市のアルホルチン草原遊牧システムの牧畜民は、牧場を移動し続けることで植生を保護し、水資源を合理的に利用している。河北省邯鄲市渉県の乾地農業石堰棚田システムは数百年にわたり、豊富な従来作物の品種と環境に優しい耕作技術を保持し、山間部の劣悪な条件での農業生産の発展を確保してきた。

 澄んだ水と緑の山々は金山・銀山だ。中国農業農村部全球重要農業文化遺産専門家委員会の閔慶文(Min Qingwen)主任は、「世界農業遺産というブランドは、地域認知度の向上、名産・特産品・優秀商品の開発、遺産の所在地の生物多様性、自然景観・農耕文化の保全に重要な役割を持っている」と指摘した。近年、「浙江省青田県の稲田養魚システム」のブランドは、年間総生産額2億元(約39億円)以上を地元にもたらし、農民の所得を向上させ、地元農村の活性化を力強く推進してきた。

 また、多くの国が中国の農業遺産の経験と知恵によって受益している。今世紀初め、ナイジェリアは中国から「浙江省青田県の稲田養魚システム」の稲田養魚技術を導入した。中国専門家の支援により、ナイジェリアの米とティラピアの生産量はほぼ倍増した。「一帯一路(Belt and Road)」などのルートを通じ、中国の農業遺産の保全・管理に関する先進的な経験は、より多くの国や地域に広がっている。

 農業遺産は、中国の優れた伝統文化の重要な一部であり、全人類共通の財産でもある。農業遺産の真髄を享受する人が増えれば、時空を超えたこの「中国の知恵」は、持続可能な農業開発、貧困撲滅、生態系保全などの分野で役割を果たし続けるだろう。(c)People’s Daily/AFPBB News