【8月13日 AFP】英ロンドンを流れるテムズ川(River Thames)の源流域から水がなくなった──。テムズ川の始点だったイングランド南西部の湧き水は、すっかり枯れあがっている。

 テムズ川は、風光明媚(めいび)なコッツウォルズ(Cotswolds)の丘陵地帯にその源流がある。蛇行しながら北海(North Sea)へと注ぎ込む全長約350キロの川は、ロンドンを含む計1500万人に飲み水を供給している。

 だが、年明けから続く異常な乾燥で、英国を象徴するこの川の源流は十数キロ下流に移動してしまった。水が枯れた場所では川底が露出し、ところどころに水たまりが残っているだけだ。緑が美しい田園地帯の景色は黄色がかってしまった。

 1930年代以降で最も乾燥した7月となった先月には、国内観測史上初となる40度超の気温が記録された。

 源流域を夫婦で訪れていたマイケル・サンダースさん(62)は「テムズ川はどこにもありません」とAFPに語った。「下った先でテムズ川が見えればいいのですが、今のところは見当たりません」

 地元自治体の職員アンドリュー・ジャックさん(47)は、「今後、このような夏がさらに増え、(厳しい)暑さに英国が対処を迫られることを懸念しています」と話した。 (c)AFP/Tangi QUEMENER