【8月11日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong un)朝鮮労働党総書記の妹の金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo jong)朝鮮労働党副部長は10日、正恩氏が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との闘いに「勝利」したと宣言したことを受けて、今回の流行の原因は韓国にあるとして「強力な報復」を検討していると警告した。朝鮮中央通信(KCNA)が11日、伝えた。

 与正氏は、韓国の脱北者団体が風船を使って散布したビラや米ドル紙幣によって新型コロナが北朝鮮に流入したと主張。ビラ散布活動を「人道に対する罪」と非難した。韓国は2021年にビラ散布を禁止したが、脱北者団体は活動を継続している。

 与正氏は「汚染された物品との接触によって感染症が広がる危険性」は多くの国や世界保健機関(WHO)が認めていると指摘。「南朝鮮(韓国)がビラや現金、ずさんなパンフレットや物品をわが国に送り込んでいるのは、非常に憂慮すべきことだ」と述べた。

 さらに、北朝鮮は「強力な報復」を検討していると警告。ビラ散布が続くなら「ウイルスのみならず南朝鮮当局を根絶やしにすることで対応する」と語った。

 韓国は先月、「郵便や物品を介した感染例は公式に確認されていない」と発表。北朝鮮側の主張を否定している。(c)AFP