【8月11日 AFP】アイルランドラグビー協会(IRFU)は10日、ワールドラグビー(World Rugby)のガイドラインに従い、トランスジェンダーの選手が女子の試合に出場することを禁止すると発表した。

 今季から、女子の試合では出生時に女性として登録された選手のみがコンタクトラグビーでのプレーを許可されることになる。

 ワールドラグビーのガイドラインによると、トランスジェンダーの選手が女子の試合から排除される理由として、「思春期と青年期にテストステロンによって与えられる体格、威力、パワーを生み出す利点と、その結果生じる選手たちのリスク」が挙げられている。

 イングランドのラグビー協会(RFU)とラグビーフットボールリーグ(RFL)は先月、安全上の理由からトランスジェンダーの選手が女子の試合に出場することを禁止した。

 IRFUは「最新の研究論文で、出生時に男性として性別が決定された人と、女性として性別が決定された人との間には身体的な違いがあることが証明されており、男性の思春期がもたらす体力、持久力、体格の利点は非常に大きく、テストステロンを抑制した後もこれが維持される」と発表文の中で述べた。

「IRFUはこの問題が関係する人やより広範囲のLGBT+(性的少数者)コミュニティーにとってデリケートで困難な領域であることを強く認識しており、影響が及んだ人たちと協力し続け、確実に競技に関わり続けられるように支援する」

 今回のルール変更の影響を受けるのは2人の登録選手のみで、IRFUはその両者に連絡し、競技活動を続けられるよう非接触でのプレーや審判員、指導者といった代替案を提示しているという。(c)AFP