【8月11日 AFP】ロシア当局は10日、ロシア政府系テレビ局の番組の生放送中に乱入しウクライナ侵攻に抗議したジャーナリストのマリーナ・オフシャンニコワ(Marina Ovsyannikova)氏(44)に対する捜査を開始し、同氏を拘束した。弁護人がAFPに対し明らかにした。裁判で有罪となれば、最高で懲役10年の刑を言い渡される可能性がある。

 オフシャンニコワ氏はこれに先立ちメッセージアプリのテレグラム(Telegram)で、捜査官10人が午前6時に自宅の捜索に入り、「幼い娘を怖がらせた」と投稿。弁護人によると、現在は捜査当局による公判前手続きの決定を待っている。最近のAFPのインタビューでは、2人の子どもがいるため、公判前勾留にならないよう望むと語っていた。

 オフシャンニコワ氏は、裁判所で行ったウクライナ侵攻への抗議活動などでロシア軍の信用を失墜させたとして、7月末と今月上旬にモスクワの別々の裁判所から2度の罰金刑を科された。同氏によると、ロシア軍に関する「偽の」情報を広めた疑いで捜査を受けている。

 今年3月、オフシャンニコワ氏は、当時編集者として働いていた国営テレビ局「第1チャンネル(Channel One)」のニュース番組の生放送に割り込み、英語で「戦争反対」と書いた紙を持って抗議。ウクライナ侵攻への批判はロシアで事実上禁止されており、この抗議活動は世界中で報道された。(c)AFP