【8月14日 CGTN Japanese】中国科学技術大学(University Of Science And Technology Of China)生命科学・医学部の薛天(Xue Tian)・鮑進(Bao Jin)研究チームは、光感知が脳発育を促進する神経メカニズムに関する研究で画期的な進展を遂げ、発育早期の光感知が成人脳の高次認知機能に与える影響を明らかにしました。この研究成果はこのほど、世界最高峰の学術雑誌「セル(CELL)」に掲載されました。

 哺乳動物の視知覚は網膜から始まりますが、網膜には主に桿体(かんたい)細胞、錐体(すいたい)細胞と網膜神経節細胞(ipRGCs)の3種類の光受容細胞があります。

 研究者は新生マウスの研究を通じて、ipRGCsはマウスの発育早期に光感知を媒介して脳の高次認知区域のシナプスの成長を促進する上で不可欠かつ十分に必要とされる条件であることを明らかにしました。マウスの幼少期のipRGCsによる光感知の欠如は、成長後の学習速度の顕著な低下をもたらします。

 この研究は発育早期の視(光)感知が脳の高次認知区域のニューロンとシナプスの共同発育を促進する光感知、神経回路と分子のメカニズムを解明した上で、発育早期の光感知が成人脳の高次認知機能に与える影響を明らかにしました。

 研究チームによりますと、今後、発育早期の光受容が哺乳動物の健康と生存に与える影響に関する研究を続け、新生児の成長発育の環境の最適化に科学的根拠を与えることを目指していくということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News