【8月14日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)北部で、先住民ムビャ・グアラニ(Mbya Guarani)のリーダー、バンデルレイ・ウェラクスヌさんは熱帯雨林にある土地を訪れていた。集落の同胞の人々がついに水を手にできる新天地だ。

 数か月後には、ムビャ・グアラニの約50人はブラジル初の自治体による自然保護区の中に家を建て、そこで伝統的な生活を送ることになる。

 約10年前、ムビャ・グアラニの人々はブラジル国内のさまざまな地域からリオデジャネイロ州マリカ(Marica)に移り住み、実業家から寄付された土地に「セウ・アズール(青空)」という名の村をつくった。

 だが、以前の所有者がコーヒー農園として利用していたために土地は痩せており、作物は育たなかった。飲料水も役所からトラックで運んでもらう必要があった。ウェラクスヌさんは、150年前は川が流れていたが「森を切り開いてしまったために、川が干上がってしまった」のだと説明した。

 南米地域には約28万人のグアラニの人々が住んでおり、その中にムビャなどのサブグループがある。これまで、非先住民の農民と対立し、祖先の土地から強制的に追放されてきた歴史を持つ。

■自然の守り手

 ウェラクスヌさんの集落は政府との長年の交渉の末、約35キロ離れた場所にある50ヘクタールの公有地を自治体から提供された。

「(キャッサバやサツマイモを)植えたり、薬草を採ったりできるようになるでしょう」とウェラクスヌさん。固有種の作物として大切にされているグアラニ種のトウモロコシや、重要な収入源である手工芸品用の竹なども復活させるとしている。

「自然だけでなく、私たちの文化や生活様式を守れるようになるでしょう」とウェラクスヌさんは言う。

「グアラニをはじめとするすべての先住民は自然の守り手なのです。自然は命の源です」 (c)AFP/Amin GUIDARA