【8月19日 AFP】小型モジュール炉(SMR)とは出力が比較的小さい原子炉のことで、現在、世界で約70種のSMRの開発が進められている。

 フランスでは、フランス電力(EDF)が「NUWARD」というSMRの開発を進めている。

 欧州加圧水型炉(EPR)と同じく、NUWARDも加圧水型炉だ。

 170メガワットの原子炉2基で構成され、合計出力は340メガワット。1基当たりの出力はEPRの約10分の1だ。

 NUWARDの特徴は、設計がシンプルなこと、小型なこと、標準化されたモジュールとして製造されることだ。

 金属製の格納容器に納められた原子炉はそのまま設置場所に運ばれ、炉心燃料の過熱を防ぐために冷却用の貯水プールに入れられる。

 安全性を高めるため、原子炉は地中に半分埋まった形で設置される。

 国際原子力機関(IAEA)は、老朽化が進む石炭・石油火力発電所に代わる低炭素の発電手段をSMRが提供するとしている。

 NUWARDは海外への輸出を念頭に開発が進められているが、水素製造や海水の淡水化にも利用できる。

 2030年に公開用モデルの建設を開始する予定で、2035年の実用化を目指す。(c)AFP