【8月10日 AFP】国際機関ユニットエイド(UNITAID)は9日、ロシアの侵攻を受けるウクライナで早産が増加しているとみられることから、同国の医療機関に酸素供給装置を提供すると発表した。

 ユニットエイドのエルベ・ベルオゼル(Herve Verhoosel)報道官はスイス・ジュネーブで開いた記者会見で、ロシアの侵攻は妊婦のストレスを増加させ、早産の報告数の増加につながると指摘。未熟児は呼吸器系や神経系、消化器系の合併症を起こしやすく、酸素吸入が必要となる場合が多いと説明した。

 ウクライナでは各地の病院が戦闘で被害を受け、物資の供給網も寸断されていることから、多くの新生児が適切な治療を受けられず、障害が生じたり死亡したりする危険性が高まっているという。

 ベルオゼル氏によると、ユニットエイドが支援しているウクライナの病院の一部では、ロシアの侵攻開始以来、未熟児が生まれる確率が12%から40%に上昇。リスクの低い出産の多くは自宅で行われているものの、早産の増加は「現実だ」という。

 途上国への医療支援に取り組むユニットエイドは、気泡経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)装置220台と酸素混合装置125台をウクライナに提供した。世界保健機関(WHO)のマーガレット・ハリス(Margaret Harris)報道官は記者会見で、病院が攻撃を受けている状況では「電気がなくても機能するこうした機器が重要だ」と説明した。(c)AFP/Robin MILLARD