【8月10日 AFP】(更新)女子テニスのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が9日、引退への「カウントダウンが始まった」と表明した。

 四大大会(グランドスラム)通算23勝で現在40歳のセレーナは、ファッション誌ヴォーグ(Vogue)への寄稿記事とインスタグラム(Instagram)で、引退について語った。

 インスタグラムでは、「人生には、別の方向に進むことを決断しなければならない時がくる」と投稿。「大好きなことだと、その時はつらいものだ。テニスは本当に楽しい。けれども、カウントダウンが始まった。私は母親であることや、精神的な目標、そして最終的には別の、わくわくするようなセレーナを発見することに集中しなければならない。今後数週間を楽しむつもり」とつづった。

 昨年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)で右太もも肉離れの負傷をし、戦列を離れていたセレーナは、今年6月のイーストボーン国際(Rothesay International Eastbourne 2022)でまずはダブルス、さらにウィンブルドンでシングルス復帰を果たすと、8日には1年半ぶりのハードコートの試合となるナショナルバンク・オープン(National Bank Open 2022)1回戦に臨み、昨年の全仏オープン(French Open 2021)以来、約1年2か月ぶりの白星を飾った。

 今後はウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2022)、そして1999年に17歳でグランドスラム初制覇を果たした全米オープン(US Open Tennis Championships 2022)に臨む。

 セレーナは娘のアレクシス・オリンピア(Alexis Olympia)ちゃんを妊娠中だった2017年に全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2017)を制して以降、グランドスラム決勝に4回到達したがいずれも優勝を逃しており、マーガレット・コート(Margaret Court)氏が持つグランドスラム歴代最多24勝の記録まであと一つの状態となっている。

 ヴォーグの記事の中で、セレーナは「テニスから離れて進化」すると話している。

「私は引退という言葉が好きではなかった。モダンな言葉ではない感じがしていた。自分では、今回のことは移行だと思っているけど、この言葉の使い方には繊細でありたい。あるコミュニティーの人たちにとっては、すごく具体的で大切な意味を持っているから」

「私がこれからやることを表現するのに最適な言葉は、進化かもしれない。言いたいのは、私はテニスから離れて進化し、自分にとって重要な別の方向へ向かうということ」

「残念ながら、今年のウィンブルドンでは勝つ準備ができていなかった。ニューヨーク(全米オープン)で勝てるかどうかも分からない。でも、やってみるつもり」

「とはいえ、コート上での形式ばった最後の瞬間を望んでいるわけではない。私はさようならを言うのが苦手で、世界一下手」

 セレーナはこれまでウィンブルドンと全豪オープンで7回、全米オープンで6回、全仏オープンで3回の優勝を果たしている。五輪では2012年のロンドン五輪でシングルスの金メダル、ダブルスでは別に3つの金メダルを獲得している。(c)AFP