【8月9日 AFP】世界有数のビール輸出国メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は8日、干ばつの影響を受けている北部のビールメーカーに対し、生産量を減らすよう呼び掛けた。

 ロペスオブラドール氏は「もはやビールを製造しないと言っているわけではなく、北部では生産できないということだ」と語った。

 生産停止自体は命じておらず、広大な川や緑豊かなジャングルを有する、貧困率が高い南東部の州でビールを生産する企業は、政府が支援するとしている。ただ、「水がない地域では製造許可はもはや下りない」という。

 国連(UN)の統計によると、2021年の世界最大のビール輸出国はメキシコで、売上高は約50億ドル(約6700億円)に上った。2位はオランダで、約22億ドル(約3000億円)だった。

 オランダのハイネケン(Heineken)や、ベルギーとブラジルのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(Anheuser-Busch InBev)など大手を含む複数の醸造所が、メキシコ北部でビールを製造している。

 北部の工業都市モンテレイ(Monterrey)の家庭では、雨不足と環境保護活動家によると資源管理の不備により、ここ数週間水の配給制限が行われている。

 政府は、干ばつにより非常事態を宣言。水の供給を確保するため、当局が特別な措置を講じることが可能となった。(c)AFP