【8月9日 AFP】台湾の呉釗燮(Joseph Wu)外交部長(外相)は9日、中国が台湾を包囲する空・海域で行っている軍事演習について、台湾に侵攻しアジア太平洋地域の現状を変更するための準備だと批判した。

 中国は先週、ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)米下院議長の訪台に強く反発し、台湾周辺で過去最大規模の演習を開始。米国の大統領職継承順位が2位の下院議長が、台湾を訪問するのは25年ぶり。

 台湾は9日、最南端の屏東(Pingtung)県で、中国による侵攻に対する防衛を想定した実弾演習を実施した。

 呉氏は実弾演習後の記者会見で、「中国は演習と軍事作戦を、台湾侵攻の準備に利用している」と指摘。中国の演習は、台湾の権利を著しく侵害するものであり、台湾周辺とアジア太平洋地域の海域を支配するための試みだと訴えた。

「中国の真の狙いは台湾海峡(Taiwan Strait)と(アジア太平洋)地域全体の現状を変えることにある」

 また、西側諸国が台湾を支持していることについて、「権威主義の脅しに民主主義は屈しないという明確なメッセージを世界に発信している」と謝意を述べた。(c)AFP