【8月9日 AFP】ボクシング、元世界ヘビー級王者のマイク・タイソン(Mike Tyson)氏が、同氏を題材にした無許可のドラマが自分の半生を盗用したものだとして、米動画配信サービス「Hulu(フールー)」を「奴隷の主人」と批判している。

 今月25日から、米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニー(Walt Disney)傘下のHuluで配信予定のドラマ「マイク(Mike)」は、タイソン氏の子ども時代からレイプ事件で有罪判決を受けた1992年まで、世間を騒がせた同氏の人生を脚色したドラマとなっている。

 舌足らずでいじめられた幼少期や、ブルックリン(Brooklyn)のストリートギャングに加わって刑務所への出入りを繰り返した10代、そしてボクサーとしてのキャリア初期が描かれているほか、数々の有名なファイトでリングに立つタイソン氏を映し出す一方で、波乱に満ちた私生活にも焦点を当てている。

 タイソン氏は自身のインスタグラム(Instagram)アカウントで「Huluは奴隷の主人のストリーミング版だ。俺の半生を奪ったうえに金を払いもしない」と批判し、黒人の蔑称「nigger」の一部を隠しつつ、「Huluの重役たちにとって、俺はオークションに出せるただのn****rだ」と投稿した。

 作品のクリエーターで脚本家のスティーブン・ロジャース(Steven Rogers)氏は、製作陣がタイソン氏と「話さなかった」のは、別のプロジェクトによって「同氏の半生の権利は、とっくに奪われているため」とテレビ評論家協会(TCA)に説明した。

 また、タイソン氏の人生を非公認で描くことの利点についても指摘し、一つの情報源に頼りたくないとして「私は調査をしてあらゆる見解を集め、その全てを物語に取り入れることが本当に好きなんだ」と話すと、「一人だけに頼るのは好まない」と述べた。(c)AFP