【8月9日 AFP】ウクライナ産の穀物を搭載した貨物船が8日、最終目的地であるトルコの港に入港した。ウクライナ政府が発表した。ロシアとの合意に基づき出航した貨物船が最終目的地に到着するのは初めて。先にレバノンに到着予定だった別の貨物船には遅れが生じている。

 世界有数の穀物輸出国であるウクライナは、ロシアの侵攻により、穀物輸出のほぼ全面的な停止を強いられた。だが先月、国連(UN)とトルコが仲介したロシアとの合意により、黒海(Black Sea)からの出荷が再開された。

 1万2000トンのトウモロコシを積んだトルコの貨物船は先週、ウクライナのチョルノモルスク(Chornomorsk)港を出港。ウクライナ政府によると、トルコ・イスタンブールに設置された共同調整センター(JCC)で検査を受けた後、同国の最終目的地に到着した。目的地の港は公表されていないが、船舶位置情報サイトの「vesselfinder.com」では現在トルコ・デリンジェ(Derince)の港に停泊中とされている。

 ウクライナのオレクサンドル・クブラコフ(Oleksandr Kubrakov)インフラ相は「『穀物合意』が初めて成功裏に施行完了したことで、今後の輸送も楽観できる」との見解を示した。

 一方で、合意後に初めてウクライナから出航した貨物船は、まだ目的地に到着していない。この船は今月1日、ウクライナ南部のオデーサ(Odessa)港から2万6000トンのトウモロコシを積んで出発。7日にレバノン北部トリポリ(Tripoli)港に到着する予定だった。

 在レバノン・ウクライナ大使館はツイッター(Twitter)への投稿で、出荷が5か月遅れたことで、最初の買い手が受け取りを拒否したと説明。出荷元は現在、レバノン以外の国も含め、別の買い手を探しているという。

 合意が結ばれて以来、すでに8隻の船がウクライナの港から出港しており、同国政府は2週間以内に毎日3~5隻の船を出港させることを目指している。(c)AFP