【8月8日 AFP】ウクライナは8日、同国南東部に位置する欧州最大のザポリージャ(Zaporizhzhia)原子力発電所内に非武装地帯を設置するよう呼び掛けた。同発電所では最近、ロシア軍との戦闘が発生し、原発事故を懸念する声が広がっている。

 ザポリージャ原発は、ロシア軍がウクライナ侵攻の初期に占拠した。ここ数日、攻撃により複数の建物が損傷し、原子炉の停止を余儀なくされている。

 ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトム(Energoatom)のペトロ・コーチン(Petro Kotin)社長は「占領軍を発電所から撤退させ、敷地内に非武装地帯を設ける」ことが必要だと指摘。占領軍が発電所内にいるということは「放射線事故、あるいは核の大惨事につながる最大の危険だ」と訴えた。

 コーチン氏は、ロシア軍がザポリージャ原発に兵士約500人と軍用機器50台を配備し、発電所の状況はここ数日間で「悪化」していると説明した。

 同原発で最近発生した戦闘を受け、国連(UN)の国際原子力機関(IAEA)は「原子力災害の極めて現実的な危険性」があると警告している。(c)AFP