【8月8日 AFP】南太平洋の島国ソロモン諸島で8日、第2次世界大戦(World War II)の「ガダルカナル島の戦い(Battle of Guadalcanal)」から80年の慰霊式に出席していた海上自衛隊員1人が、ソロモン人の男にはさみで襲われ、負傷した。地元警察によると、容疑者は精神的な問題があったとされる。

 現場を捉えた動画からは、黄色いTシャツを着た男を米軍人や地元当局者らが数人がかりで取り押さえる様子が確認できる。もみ合う中で軍人が転倒するなど、混乱した状況がうかがえる。

 首都ホニアラ近郊にある旧日本軍と米軍の激戦地「血染めの丘(Bloody Ridge)」で開かれた式典には、ウェンディ・シャーマン(Wendy Sherman)米国務副長官も出席していた。

 在ソロモン日本大使館によれば、負傷した海上自衛隊員は護衛艦「きりさめ(JS Kirisame)」乗員の広報官(27)で、現場での応急処置の後、救急車でホテルに搬送され、米医療チームの治療を受けた。すでに帰艦しており、「全く問題ない」ことが確認されたという。

 現地の警察は、身柄を拘束した容疑者について、精神科の治療を受けていたが数か月にわたり薬を服用していなかったと発表した。

 慰霊式を主催したソロモン諸島政府の文化・観光省は、日本側に正式に謝罪し、「特定の日本人を狙ったものではない」と説明した。(c)AFP