【8月11日 AFP】南米ベネズエラ北部ラグアイラ(La Guaira)州の漁村ラサバナ(La Sabana)である晩、アカウミガメの赤ちゃん101匹が一斉に卵からかえり、懸命に海に向かい始めた。

 自然保護ボランティアのペドロ・ペレスさんは浜辺近くに自宅を構え、アカウミガメの卵を見つけては保護する活動を続けている。

「卵も含めて、アカウミガメが食用にされているのは知っていましたが、絶滅寸前だとは知りませんでした」とペレスさん。卵は1ダース50ドル(約6700円)、宝飾品向けの甲羅は5000ドル(約67万円)で取引されている。

 ベネズエラ沿岸の浜辺には7種類のウミガメのうち、アカウミガメを含め4種がやって来る。すべて国際自然保護連合(IUCN)レッドリストに掲載されている。だが環境保護に対する国民の意識は高くない。

 そこで社会エコロジー省では自然保護活動家やボランティアと協力し、ウミガメの卵を回収・保護し、ふ化させるプロジェクトに乗り出している。

 ボランティアの一人、エマ・レオンさんは「最も積極的に参加し、熱心に活動してくれているのは子どもたちです。カメを放しに行こうと親を説得してくれると参加者が増えます」と話す。

 海辺では、子どもたちがふ化したばかりのカメの赤ちゃんを海に返している。興奮を隠しきれない様子で砂の上にそっと放していた。

 映像は7月29日撮影。(c)AFP