【8月7日 AFP】ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)米下院議長の台湾訪問を受け、中国が台湾周辺で実施してきた大規模軍事演習が7日、終了予定時刻を迎えた。

 4日から行われていた演習では、台湾を取り囲む形で戦闘機や軍艦、弾道ミサイルを展開。専門家は、海上封鎖と台湾侵攻を想定したものだと分析している。

 中国政府は、黄海(Yellow Sea)で、15日まで新たな演習を実施すると発表した。

 中国人民解放軍の東部戦区(Eastern Theater Command)は、7日に「予定通り台湾周辺海域と空域で実戦的合同演習」を行ったと述べた。

 台湾国防部(国防省)も、中国が台湾海峡(Taiwan Strait)周辺に軍用機や船舶、無人機を展開し、台湾本島とその周辺海域を航行する船舶に対する攻撃の模擬演習を実施したとしている。

 専門家は今回の演習で、中国軍が台湾を封鎖し、米軍による台湾支援を阻止できる能力があることが示されたとしている。

 日本戦略研究フォーラム(JFSS)上席研究員で、元米海兵隊大佐のグラント・ニューシャム(Grant Newsham)氏はAFPに対し、「中国軍が米軍の能力を上回っている部分もある」と指摘。「戦闘が台湾周辺に限定される場合、今日の中国海軍は危険な相手だ。日米政府が何らかの理由で介入しなければ、台湾は困難に直面するだろう」と述べた。(c)AFP/Poornima Weerasekara with Amber