【8月7日 AFP】パキスタンの動物園が、飼育するライオンが増えすぎたとして、12頭を一般の愛好家に売却するオークションを11日に開催する。この動物園には現在、ライオン29頭の他、トラ6頭、ジャガー2頭がいる。

 ラホール・サファリ動物園(Lahore Safari Zoo)のタンビール・アフメド・ジャンジュア(Tanvir Ahmed Janjua)副園長は、パドック(放飼場)にライオンやトラを交互に出さなければならない状況だと説明。競売によって「より広いスペースを確保できるだけでなく、ライオンの餌代も減る」とAFPに語った。

 自然保護活動家はオークションに反対している。環境保護団体「世界自然保護基金(WWF)」は、動物が増えすぎたなら他の動物園に引き取ってもらうか、避妊措置を取るべきだと指摘する。

 WWFのウズマ・カーン(Uzma Khan)氏は、「動物園が野生動物に値札を付けるようなまねをすれば、取引を促進してしまう。自然保護には逆効果だ」と訴えた。

 パキスタンでは、ライオンやトラなどの大型ネコ科動物をペットとして飼うことがステータスシンボルとされている。裕福な飼い主が写真や動画をソーシャルメディアに投稿したり、映画や広告の撮影に貸し出したりする例は珍しくない。

 競売はライオン1頭当たり15万パキスタン・ルピー(約9万円)から開始予定だが、動物園側は1頭200万パキスタン・ルピー(約120万円)で売却できると見込んでいる。

 購入者は州当局に登録し、適切な飼育環境があることを証明する必要がある。ただ、ラホール・サファリ動物園の獣医師によれば、昨年も競売を試みたものの購入希望者が資格を満たしておらず、失敗に終わった。(c)AFP/Kaneez Fatima