【8月6日 AFP】マリで今年3月、民間人33人が連れ去られ、遺体で発見された事件について、マリ軍と「白い肌の兵士」が関与していたとする専門家パネルの報告書が、国連安全保障理事会(UN Security Council)に提出された。AFPが5日、確認した。

 マリに関する専門家パネルは先月末、安保理に報告書を提出。それによると、マリ中部セグー(Segou)州のモーリタニア国境地帯にある村で3月5日、兵士の集団が略奪行為に及び、民間人33人を暴行した上で連行。その後、モーリタニア人29人とマリ人4人の遺体が付近で発見された。

 米ニューヨークの外交筋はAFPに対し、白人兵士はロシアの民間軍事企業ワグネル(Wagner)の部隊だったと語った。

 民間人の失踪をめぐって、マリとモーリタニアは対立。両国は3月に合同調査を開始したが、結果は公表されていない。マリの軍事裁判所も、この事件を調査するとしている。

 西側諸国は、マリで活動しているロシアの準軍事組織はワグネルの傭兵(ようへい)だと主張しているが、マリは治安部隊の「教官」だと説明している。

 専門家パネルは、事件現場を視察できなかったが、今年に同地域でマリ軍の活動について「複数の証言」を収集。他に民間人が殺害された事件はなかったが、5か所で「同様の略奪と暴行のパターン」が確認されたとした。同パネルが調べた他の2事案でも「白い肌の兵士」がいたとの証言があったという。(c)AFP