【8月5日 People’s Daily】オンラインプラットフォームで無形文化遺産のドキュメンタリーを見、ECプラットフォームで無形文化財の関連製品を買い、展覧会を見、手工芸を体験する……6月11日は2022年文化・自然遺産デーであり、中国文化観光省は各地で無形文化遺産関連の展示を行い、伝統的な食や工芸、音楽などを紹介した。

 オンラインプラットフォームは若いグループにとって重要な活動の場であり、今年の文化・自然遺産デーの活動はその強みと嗜好(しこう)が十分に考えられたものとなった。文化観光省の関係責任者によれば、中国各地で今年の遺産デー前後には6200件の展示イベントが行われたが、うちオンラインでのイベントは2400件にのぼる。

 声帯模写や木櫛の制作など、さまざまな伝統芸が動画配信された。今年、抖音(Douyin)が始めた「無形文化遺産の冒険」というイベントでは、無形文化遺産を継承する人々とネットで伝える技術を持つ人々、無形文化遺産協会などが広く関わり、無形文化遺産をめぐる物語や独特な技術、伝統文化などをシェアした。他にも、各動画プラットフォームでは無形文化遺産の記録映像やドキュメンタリーなどが集められた。

 オンラインでのイベントのみならず、ECプラットフォームでは無形文化遺産の食品や工芸品などを買うことができる。2020年以来、無形文化遺産の保護を推進し、その継承者を補助し、関連企業がコロナの影響を克服できるよう、中国文化観光省・商務省・国家郷村振興局など関連省局は文化・自然遺産デーにECプラットフォームで「無形文化遺産フェスティバル」を開催している。

 例えば、2022年に四川省(Sichuan)南充市(Nanchong)で行われたライブストリーミングで、客家伝統の牛肉づくりと特産品を紹介したところ、1日のうちにオンライン視聴者はのべ2246万5000人にのぼり、オンラインでの売り上げは836万元(約1億6600万円)に達した。この影響で、同地の牛肉加工企業4社と畜産基地4か所、花胡椒の栽培基地1か所、137世帯375人が貧困から脱した。

 文化・自然遺産デーの重要活動と位置づけられる「無形文化遺産フェスティバル」は、貧困脱出や地域の振興に非常に効果がある。7500以上の店舗やオンラインショップが無形文化遺産関連材の販売に関わった。また、4000件以上の無形文化遺産プロジェクトが各地でさまざまなやり方で行われ、社会・経済に恩恵をもたらした。「この2年間で『無形文化遺産フェスティバル』は多くの人に愛される企画となりました。無形文化遺産の継承を促進するだけでなく、人々がその知恵や技術を尊重し、楽しみ、文化的アイデンティティーを形成するきっかけにもなるのです」と、関係責任者は語る。

 現在、無形文化遺産とインターネットが出合って新しい流れができている。オンラインプラットフォームでのライブストリーミングが盛んになり、販売の新ルートが開拓され、文化の継承者達の増収につながった。(c)People’s Daily/AFPBB News