【8月7日 Xinhua News】中国雲南省(Yunnan)麗江市(Lijiang)は3日、同市で開かれた「雲南のこの10年」シリーズ記者会見の地域別会見で、市内の主導産業を農業の質と効率の向上を図る足掛かりとして育成する方針を示した。「一県一業種」モデル県創設を深化させることにより、農村観光と産業発展を組み合わせ、農業と文化、観光を融合させたモデル拠点を構築する。観光を主要要素または付随要素に農村振興を後押しする新たなモデルを模索し、農村振興モデル区の手本になるよう努める。

 同市の域内総生産(GDP)はこの10年間で、2012年の227億6千万元(1元=約20円)から21年の570億5千万元へと増加した。中でも第13次5カ年規画(2016~20年)以降は経済総量が年平均8%の割合で増加し、500億元の大台に乗った。同省では、単結晶シリコンメーカーの西安隆基珪材料などが工場を開設したことでクリーンエネルギー産業が新たな成長分野となっている。また、グリーン水素(水の電気分解で生産される水素)の製造、貯蔵、輸送、応用などを積極的に手掛け、雲南省の「新エネルギー×グリーン水素」試行都市、水素エネルギー応用試行都市に指定された。麗江古城の高山花卉、玉竜の生薬、華坪のマンゴーなど特色ある高原農業・産業も成長を続けている。

 同市は、雲南省のスマートフォン向け観光ガイドアプリ「スマホで雲南観光(一部手機遊雲南)」のプラットフォーム構築を進め、観光を主要要素または付随要素とした新業態や新商品を打ち出すことで、省内スマート観光の手本にもなっている。19年の観光客受け入れ人数は延べ5千万人を超え、観光収入も1千億元(1元=約20円)を超えた。今年は夏以降に観光業が回復傾向を示し、7月の観光客受け入れ人数は延べ500万人、観光収入は72億元に上った。同市は「麗江はすべてが一つの観光地」という理念に基づき、全域観光の発展構造の改善や融合発展戦略の実施、スマート観光建設レベルの向上などの重点活動を通じ、世界文化観光都市の建設を深く進めている。(c)Xinhua News/AFPBB News