【8月5日 AFP】南アフリカの最大都市ヨハネスブルク近郊で先週、女性8人が集団レイプされた事件を受け、数千人の住民が4日、事件に関与したとされる違法採掘者を追い出すため、坑道をふさぎ、家屋に放火するなどの抗議行動に出た。

 先月28日、ヨハネスブルク西郊クルーガーズドープ(Krugersdorp)の鉱さい集積場近くで起きた事件では、ミュージックビデオの撮影現場に銃を持った男たちが押し入り、出演者の女性8人に性的暴行を加えた。ベキ・ツェレ(Bheki Cele)警察相は、主に不法滞在の外国人とされる「ザマザマ」と呼ばれる違法採掘者が関与した可能性を指摘。これまでに数十人の違法採掘者が逮捕された。

 マチェーテ(なた)やゴルフクラブ、ハンマーで武装した群衆はクルーガーズドープのカジーソ(Kagiso)地区を移動しながら、違法採掘者を追い出そうとした。AFP記者は、住民が採掘者の元締めのものと思われる家屋に放火する様子を目撃した。

 抗議活動に参加したダニエル・ヌズマさん(39)は、「ザマザマは出ていかなければならない。彼らは私たちの姉妹を襲っている」とAFPに語った。

 警察は距離を取り、群衆を解散させるためにヘリコプターから閃光(せんこう)弾を放った。

 約600万人の人口を抱えるヨハネスブルクでは、1880年代のゴールドラッシュで鉱山会社が残した土の山や坑道が残っている。このため、武装した非正規採掘者の間で、残された金を掘り出そうと、廃坑の支配権をめぐって暴力事件や抗争が繰り広げられている。(c)AFP