【8月6日 Xinhua News】中国新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)ボルタラ・モンゴル自治州温泉県の高山湿地に、「中国絶滅危惧動物レッドデータブック」で絶滅危惧種に指定されるセイホウサンショウウオが生息している。過去には、自然条件の変化や人為的な要因により生息地の縮小や個体数の減少が続いたが、その後の人工繁殖や監視パトロール強化、宣伝活動などにより、ここ数年は個体数が着実に増加している。

 恐竜と同じ時代を生き、標高2100~3200メートルの高山の泉や小川で3億5千万年かけて進化してきたことから「生きた化石」とも呼ばれる。

 セイホウサンショウウオは19世紀中頃に存在が確認された後、一度姿を消したが、1989年に温泉県で再び発見された。ただ、その後は個体数の減少が進んだため、1997年にセイホウサンショウウオ自然保護区が同県に設立され、2017年には国家級自然保護区に昇格した。

 14年からは国や地方政府の支援の下、セイホウサンショウウオ生息地での家畜の放牧を禁止した。保護区全体でマイクロ波遠隔ビデオ監視システムも構築し、24時間体制で人の出入りを監視している。地下水位の低下により保護区の一部で泉が枯渇している問題については、水道管を敷設し、湿地の減少を食い止めている。

 16年には研究、宣伝、教育などの機能を備えたセイホウサンショウウオ科学研究・宣伝教育センターも開所した。同センターには人工ふ化展示室があり、管理スタッフがセイホウサンショウウオの習性をより科学的に理解し、繁殖第2世代の研究を進めることで、保護レベルの全体的な向上を図っている。同センターでは今年、すでに139匹がふ化している。

 一連の科学的な保護により、保護区内のセイホウサンショウウオの個体数は着実に回復した。15年に約1700匹だった個体数は今では3千匹を超えている。(c)Xinhua News/AFPBB News